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糖鎖分析プロトコール > 糖検出/糖鎖検出操作編 > ウエスタンブロット−レクチン染色
電気泳動−ウエスタンブロット−レクチン染色による糖鎖検出
タンパク質試料をSDS-PAGE後、膜に転写し、レクチンとの反応性を調べることで、糖鎖の有無など糖鎖に関する情報を得ることができます。
よく使われるレクチンは、ConA(タチナタ豆レクチン),RCA120(ヒマレクチン),WGA(小麦胚芽レクチン)の3種です。次いでPNA(ピーナッツレクチン),UEA-1(ハリエニシダレクチン)もよく使われています。初めての方には、数種のレクチンを少量ずつ含むキットが市販されていますので、これをお薦めします。
(使用する器具、薬品類)
| ・メンブレン | NC(ニトロセルロース)膜、PVDF膜など*1 |
| ・小さなトレー | メンブレンが入る位の大きさのもの。ブロッキングや反応、洗浄などを行う。 |
| ・ブロティングバッファー | 25mM Tris 192mM Glycine 20%メタノール*2 |
| ・ブロッキングバッファー | 10mM Tris-HCl pH7.4 0.15M NaCl 0.05% Tween20 |
| ・ビオチン標識レクチン | 市販品(ConA,RCA120,WGAなどのレクチンにビオチン標識したもの) |
| ・HRP標識アビジン | 市販品 |
| ・発色液 | コニカイムノステイン-HRP(生化学工業)または 0.03% DAB*3/PBS+0.003% H2O2<用時調製> など。 |
| ・PBS : | Phosphate-buffered saline (pH7.2) |
| ・電気泳動装置 | |
| ・ブロッティング装置 |
*1 一般的にPVDF膜の方が高感度である。
NC膜 ・・・
ブロッティングバッファーに浸漬し使用する。
PVDF膜 ・・・
そのままでは水をはじくので、メタノールに浸漬した後ブロッティングバッファーによく浸漬して使用する。
*2
メタノールは、ゲルのタンパク質がメンブレンに吸着しやすくする働きがある。
一方、脱水効果でブロッティング阻害にも働くため、多すぎても良くない。
*3 DAB : 3,3'-Diaminobentidine tetrahydrochloride(CAS
No.7411-49-6 M.W.360.1)
(方法)
| 1.電気泳動 : | SDS-PAGEを行う。サンプルはPBSなどで適当な濃度(1mg/ml前後)に調製する。シングルバンドにまで精製されていない場合は濃度を高めにする。 |
| 2.転写 : | ブロッティングバッファーで平衡化したメンブレンとゲルを密着させ、電気的に転写する。 |
| 3.ブロッキング : | ブロッキングバッファーにメンブレンを浸し室温で10分間、緩く攪拌する。ブロッキングバッファーを交換して更に2回繰り返す。 |
| 4.レクチン反応 : | 各ビオチン標識レクチン溶液(2〜5μg/mlにブロッキングバッファーで希釈)にメンブレンを浸し、室温で1時間、緩く撹拌する。 |
| 5.洗浄 : | ブロッキングバッファーにメンブレンを浸し室温で10分間、緩く攪拌する。ブロッキングバッファーを交換して更に2回繰り返す。 |
| 6.アビジン反応 : | HRP標識アビジン溶液(ブロッキングバッファーで市販品を約1000倍に希釈:希釈率はメーカーやロットにより異なる。)にメンブレンを浸し、室温で30分間緩く攪拌する。 |
| 7.洗浄 : | ブロッキングバッファーにメンブレンを浸し室温で10分間、緩く攪拌する。ブロッキングバッファーを交換して更に2回繰り替えす。 |
| 8.発色 : | 発色液にメンブレンを浸し、室温で数分間発色させる。発色が十分確認できたら純水で洗浄し、反応を停止させる。 |
| 9.乾燥 : | メンブレンは風乾し、保存する。 |
(ビオチン標識レクチンを用いた分析例)
レクチンは、ビオチンWGA、ビオチンCon A、ビオチンRCA120の3種を用い、比較として蛋白染色(Amido
black)も行った。各レクチンに特異的に反応するバンドのみが染色されているのがわかる。

(判断のポイント)
●染色された
・・・糖鎖があります。レクチンにより認識される糖鎖が異なります。(例;ConAで染色されれば、N型糖鎖(ハイマンノース型)、RCA120で染色されれば、N型糖鎖(複合型)をもつなど)
(分析のヒント)
●レクチンとの特異的な反応なのか確かめたい。
レクチンとの反応を阻害させる糖を用いてチェックします。
予め希釈したビオチンレクチンと阻害糖を、メンブレンと反応させる前に30〜60分室温でプレインキュベートしておきます。この方法で染色されなくなれば、レクチン特異的な反応であるといえます。
●発色が弱い、発色しない。
原因として、サンプル、あるいはサンプルの糖鎖の含有率が低い、ビオチン標識レクチン濃度、HRP-アビジン濃度が低い、インキュベーション時間が足りないなどが考えられます。
サンプル量を増やす、それぞれの試薬濃度を上げる、インキュベーション時間を増やすなどしてみて下さい。
●バックグラウンドが高い。
原因として、ビオチン標識レクチン濃度、HRP-アビジン濃度が高すぎる、洗浄不足などが考えられます。それぞれの試薬濃度を下げる、洗浄時間や回数を増やす、インキュベーション時間を減らすなどしてみて下さい。
サンプルが酵素活性を持つものであればサンプルにバックを染める活性があるか、アビジン化合物なしでバックが染まるかを確認します。
●ビオチン標識レクチンの他の使用方法は?
ドットブロット、ELISAなど抗体を用いる手法にも標識レクチンを置き換えることで応用できます。
●ビオチン標識レクチンの代わりにHRP標識レクチンは使えないか?
使えます。ただし、感度はやや落ちると思われます。
Kitagaki-Ogawa H,Eur. J. Biochem.,161,779(1986)
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