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Cross talk管理職対談

キャリア観や管理職としての苦労・やりがい、後進への思いなど……
30代で管理職に就任し、事業部をリードする存在として活躍する
若手管理職による対談をお届けします。

Member Profiles

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    K. KUSAMA

    2007年新卒入社
    研究開発センター
    商品開発室長

    バイオテクノロジー関連の研究職としてキャリアをスタート。油脂の基盤研究を経て、2018年より新事業開発や経営企画に携わる。2022年度からは家庭用油脂製品開発部門のグループ長、2025 年度からは全社の商品開発を統括する部門の組織長を担う

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    M. SAKAINO

    2009年新卒入社
    新事業開発部
    マネージャー

    2009年新卒入社。油脂の研究開発職としてキャリアをスタート。2018年より新事業開発に携わり、2022年には社会人博士として東北大学大学院の博士課程を修了。2023年から新事業開発部にて、プロジェクトの推進リーダーとしてバイオジェット燃料の生産に向けた新事業に挑む。

※所属部署・役職は2025年4月時点

CROSS TALK Q.01若手時代のキャリア観

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2人の関係性を教えてください。

境野さんとは同年代の研究開発職ということもあって社内での交流はあったけど、同じ職場に所属したのは2018年に当時のイノベーション開発部での3ヶ月間だけでしたよね。

そうですね。親しくなったきっかけは、10年ほど前の若手研究職が集まる研修だったと思います。研修の内容はおぼろげですが、雑談で盛り上がったことはよく覚えています(笑)。

若手時代、キャリアについてどのように考えていましたか?

研修や社内プロジェクトには、できるだけ積極的に参加するようにしていましたね。というのも、私は油脂とは異なる分野の研究開発からキャリアをスタートしたこともあって、ひとつに閉じたキャリアを歩みたくないという思いが強かったんです。
自分の能力を向上する機会は有限であり、それを逃さずに自分の価値を高めていく姿勢は入社当初から大切にしていました。

私は研究職としての専門性の向上に努めていましたが、将来的なキャリアについては入社5年目くらいまではあまり意識はしていませんでした。
現在導入されているキャリア・ディベロップメント・ プログラム(CDP)に基づくキャリア面談が始まってから、研究開発以外のキャリアや自分の中長期のキャリアについて考えるようになりました。

CDP面談を受けて、キャリアの考え方に影響はありましたか?

私がCDP面談を受けるようになってから印象に残っているのは、「人の成長に携わりたいから人事部への異動も検討している」という相談をしたときのことです。当時の上司から「草間さんが携わりたいのは『一人ひとりの成長』だから、事業部門のなかで管理職になって体現するべきじゃないか」と言われて、はっとしたんです。その言葉でキャリアの進む先が明確になった感覚でしたね。

私もCDP面談が始まってからは上司と、5~10年後の目指す姿から逆算してキャリアについて話し合うようになりました。管理職を目指す上で、CDP面談を通じて多くの気づきを得られました。

CDPがあることで、自己発信が苦手なタイプの人でも自分なりのキャリア形成に向かっていける場ができたのは非常に意義のあることですよね。

CROSS TALK Q.02管理職を意識したきっかけ

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明確にきっかけだと思えることはありましたか?

草間さんが早期に管理職になられたことは、我々後輩からするととてもエポックメイキングな出来事でしたよ。
草間さんのように若くして管理職になる人が出てきたことで、それまでぼんやりと捉えていた管理職について具体的にイメージするようになりました。

私は入社したときから、チームとして大きな成果をあげられる人間になりたいという目標を持っていたので、何かきっかけがあって管理職を目指したわけではありませんでした。だから管理職試験を受けたときも特段、「若くして」という感覚ではなかったですね。
ただ境野さんをはじめ後に続いてくれる人がいるなら、そういう道を示せるといいなという思いはありました。

草間さんやCDP面談のお陰もあって管理職を真剣に考えるようになりましたが、やみくもに目指すだけではダメだと管理職試験の際に身にしみて感じました。準備として上司をはじめ複数の先輩に模擬面接に協力していただいたときに、「管理職になることがゴールになってないか」と指摘されたんです。試験を突破するためではなく、管理職になった後に何を成し遂げたいかが大事だと気づかされました。

管理職になって変わったことはありますか?

自分が1on1(1対1の面談)やCDP面談をする側になって、メンバーには“正解”ではなく多面的な考え方を提示するよう心掛けています。「何が一番ワクワクするのか」「成長につなげられるのか」を考え言語化することを習慣化できるようになってほしいと思って日々コミュニケーションをとっていますね。

私は研究しか知らなかったので、意識して視野を広げるよう取り組んでいましたね。
マネジメント関連の書籍をあたったり、会社のサポートで参加できる社外講習を受けたり。そういえば草間さんが「グロービスに通うといいよ」と、居酒屋でアドバイスしてくれましたね(笑)。

覚えてますよ(笑)。私は20代の頃から、自分の研究開発よりも人をフォローしたりプロジェクト全体を俯瞰で見るような役割が向いていると自己認識していましたし、周囲からも同様に言われることが多かったです。
だから管理職になることに抵抗はありませんでしたが、境野さんは学会の表彰を受けるなど研究者として秀でた実績を持っているから管理職になることに葛藤はなかったですか?

正直、なかった訳ではないですね。2022年から1年半ほど社会人ドクターとして、油脂の世界では日本屈指の大学研究室で研究をさせてもらったこともあり、「このまま研究のスペシャリストになるのもいいかな」と思ったことはありました。
ですが企業の研究職として成し遂げたいキャリアを熟考した結果、内側に掘り下げていく研究よりも、外にベクトルを向けて会社や消費者に貢献していくべきだなと思い至りました。

CROSS TALK Q.03管理職の難しさと喜び

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メンバーとの関わりについて教えてください

今、管理職として担っているのは、SAF(持続可能な航空燃料)と呼ばれるバイオジェット燃料の研究開発プロジェクトの進捗やメンバーの業務管理です。
私は管理職になってから日が浅いので、どこまでをメンバーに任せていいのか、その線引きに悩むことがあります。草間さんは、そのあたりどうされていますか?

私は組織長として、メンバーみんながのびのびとチャレンジでき、相談や議論がしやすい雰囲気づくりを大切にしています。
誰に何を任せるかを考えるときには、なるべくこれまでやったことのないタスクを任せるようにしています。任せるにあたっては、事前に相手のスケジュールをグループウェアで仔細にチェックして、今なら大丈夫というタイミングを見計らってタスクを振るようにしてますね。

なるほど、そこまで徹底しているんですね。勉強になります。
SAFプロジェクトは前例や正解がないものをカタチにしていくので、頻繁に方針転換が起こってしまいます。全社横断型のプロジェクトで、大半が本業務と兼任するメンバーということもあり、モチベーションを維持しながらプロジェクトを回していく難しさを痛感しています。

メンバーに対しては、プロジェクトでも部門でも「やってくれるだろう」という信頼を持って接するのが大事だと思います。仮にトラブルがあったとしても、いつでも何でも相談できる空気をつくることや、本当に困ったときには助けてくれるという信頼を得ることが管理職の重要な役割だと思っています。

そうですよね。だから任せていたメンバーたちが課題を突破してくれたときは、とても嬉しいですよね。自分の想定とは違った切り口を見つけ出してくれたときは、なおさらです。
私はあまり他者に興味がないタイプだと思っていたのですが、チームを率いて結果を出すことは、いちプレーヤーだったときとは比べものにならない喜びがあります。

人が成長する瞬間に立ち会えるのは、管理職にとって最上の喜びですね。
業務的な成長も嬉しいですが、「部署全体の課題に目を配れるようになる」「後輩の成長のために行動できるようになった」など人間性に深みが出て、一段高い視点で考えられるようになったときは格別に嬉しいですね。

CROSS TALK Q.04これからを担う人財へメッセージ

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伝えたい、大切にしている考えを教えてください。

十人十色のキャリア観があるので、目指す将来像は人それぞれでいいと思います。ただ、管理職を目指す・目指さないに関わらず、「最低限ではなく最高を目指す」という姿勢を持ってほしいですね。
実はこの言葉は私が経営企画に携わる部門在籍時に、資料作成業務で「今まで見てきた資料はこんな感じだったから」と深く考えず提出してしまい、上長から厳しく指摘されたときの言葉なんです。「何が足りなかったのか」や「次はこうしよう」と考えて、自分の仕事を価値あるものに磨いていくことは、管理職を志望するしないに関係なく大切な姿勢だと思います。

どんな仕事を任されたとしても、腐らずにベストを尽くす姿勢が大事だと思います。
まずは自分だけの強みをつくることを意識して一つひとつ成果を出していけば、周りから信頼を得て、希望する仕事が回ってくる機会は増えていきます。その積み重ねが自信となって、次のキャリアにつながっていくんだと思います。

弱点の補強ばかりをしていたら平均的な人財しかいなくなってしまいますよね。境野さんが若手に「強みを活かしていこう」と話している場面をよく見かけるのですが、その通りだよなって思いながら聞いています。

会社や周囲のサポートについて教えてください。

チャレンジした上での失敗には寛容な会社ですよね。
私のプロジェクトは予想外の展開ばかりでトラブルはつきものなのですが、役員をはじめいろいろな方のサポートで解決してもらうことが多々あります。身を持って経験してきたから言えますが、若いうちは「失敗したらどうしよう」と躊躇せずに「まずはやってみる」でいいんだと思います。

私の経験では、当時研究開発から経営企画系の部門への異動は異色のキャリアで、その後の新事業開発関連の業務でも苦労の連続でした。ですが、その時々の上司のみなさんは、私を成長させようという思いでコミュニケーションしてくださいましたし、失敗もフォローしてくれました。
組織体制や人間関係を含めてチャレンジしていける環境があるので、臆せず進んでいってほしいですね。

※掲載の内容は取材撮影当時のものです。

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