植物油ができるまで

植物油はこのようにつくられています。

まず、圧搾、抽出の2種類の方法で原料から油分を分離します。
なたね、とうもろこし、べに花など油分が多い原料は圧搾して油を搾り出し、さらに食品衛生法に定められた品質のヘキサンという溶剤で残った油を抽出します。
一方、大豆、米ぬかなど油分が少ない原料は圧搾せず、はじめから溶剤で油分を抽出します。

抽出された粗油は、原料に含まれていた油脂以外の成分(リン脂質など)を多く含むので、まず水を加えてこれらを油脂成分と分けて取り除き(脱ガム)続いて不必要な遊離脂肪酸も除去します(脱酸)。

次に、活性白土という吸着剤を用いて、原料に含まれる色素成分である葉緑素などを吸着、分解して脱色し、淡い色にします。

最後に真空状態で高温の水蒸気を使って、においの成分を取り除きます。
この脱臭で、製油工程が終了し、高品質の植物油ができ上がります。

出典:一般社団法人日本植物油協会「pichi pichi!うつくしい 元気、植物油」を参考に作成

搾油によって得られた粗油から、油分以外の不純物を除去する工程で、次の順序で行われる。

[脱ガム]
粗油にはリン脂質を主成分とするガム質(澱)が含まれている。これを除去する工程。粗油に少量の水を加え撹拌するとガム質が油から分離するので、それを遠心分離して除去する。

[脱酸]
油の中に含まれる遊離脂肪酸を除去する工程。脱ガムを行った粗油に少量のリン酸、続いて苛性ソーダを添加して撹拌し遊離脂肪酸と反応させて石ケン分を生成させ、遠心分離器で石ケン分を除去する。この除去された物質を「ソーダ油滓」と称する。

[脱色]
油に含まれるカロテノイド系やクロロフィル系の色素を除去する工程。油脂を軽度の真空状態で「活性白土」と接触させ、有色成分を吸着させたのち、濾過して分離する。活性白土は、アルミナとシリカを主成分とする粘土鉱物で、酸で処理して吸着度を高めたもの。

[脱臭]
油脂中の好ましくない臭い成分を除去する工程。高温・高真空状態で油脂に水蒸気を吹き込み、有臭成分を除去する。この工程を経て、油の色調や風味安定性が向上する。

出典:一般社団法人日本植物油協会,用語集,製造関係用語