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- 1.原料受け入れ
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原料は、穀物専用船によって世界各国から日本に運ばれてきます。原料は船から直接吸い上げられ、工場に隣接した原料サイロに蓄えられます。
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- 2.精選
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原料に含まれている「きょう雑物」(茎や葉など)を取り除きます。
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- 3.前処理
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油分をとりやすくするために、原料を加熱したり、破砕・圧扁します。
食卓に届くまでに、
植物油はこのようにつくられています。
原 料
搾 取
原料から効率よく油を取り出します。3種類の方法があります。
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- 圧搾法
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油分を多く含むなたね、べに花、ごまなどに行います。原料に圧力をかけることで、物理的に搾油します。
●圧搾だけでつくった油を「一番搾り」と呼びます。
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- 抽出法
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油分の比較的少ない大豆などに行います。原料を容器に入れ、これに溶剤(食品添加物)を加えると、原料中の油分が溶剤に移行します。これを連続的に行い、油脂の溶けた溶剤を蒸留装置で揮発性の溶剤と油分とに分けて、油をとります。これによって、原料残油は1%未満になります。
●脱脂粕
醤油や味噌、配合飼料、有機肥料などの貴重な原料として、広く活用されています。
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- 圧抽法 (圧搾法+抽出法)
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圧搾では原料残油が10~20%あり、この残りを採油するために、抽出法を併用します。圧搾と抽出とを合わせて圧抽法と呼びます。なたねなどの油分の多い原料はこの方法で搾油します。
精 製
原油には、ガム質・遊離脂肪酸・色素・有臭物質などが含まれているため、製品の使用目的に合わせてこれらを除去します。
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- 1.脱ガム
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原油に温水を加えて、リン脂質を水和させ、遠心分離機にかけて油と分離し、取り除きます。取り除いたリン脂質はその性状からガム質と呼ばれ、このガム質からレシチンを取り出します。
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- 2.脱酸
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原油中に含まれる遊離脂肪酸を苛性ソーダを使って石けんにし、遠心分離機によって取り除きます。この工程で微量金属や色素の一部も除去されます。
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- 3.脱色
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油に天然の白土を加工した活性白土を加え、クロロフィルやカロチノイド系の色素を吸着させて脱色します。色素類を吸着させた白土は、ろ過によって除去します。
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- 4.ウィンタリング(脱ろう)
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べに花油やとうもろこし油など、ろう分が多い油に行います。油を冷却し、低温で固まる成分(ろう分)を析出させたあと、ろ過によってこれを除去します。
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- 5.精密ろ過
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脱酸・脱色を終えた油に、高温・真空の状態で水蒸気を吹き込み、有臭成分を除去します。この工程での副産物がトコフェロール(ビタミンE)です。
商品化
精製された植物油は、厳しい品質検査と商品テストののち、容器に充填・包装され、製品となります。
