代表的な植物油の種類

油は原料となる素材によって、含まれる脂肪酸が異なり、特徴もさまざまです。
それぞれの特徴を知って、日々の食卓にもっと楽しく油を取り入れてみませんか。

オリーブ油

果実を搾ったフルーティーな色と香り。品種や地域、銘柄で自分好みの1本を選んで。

オリーブが原料ですが、他の植物油のように種子ではなく、果実を搾って作られます。オレイン酸が豊富で、またフレッシュな風味と香りで、イタリアやスペインの料理には欠かせない油。搾っただけで精製していない原油がバージンオリーブオイルです。主な輸入先はスペインやイタリアです。

主な脂肪酸組織

  1. オレイン酸
  2. パルミチン酸
  3. リノール酸
  4. ステアリン酸
  5. α-リノレン酸
  6. その他

コーン油(とうもろこし)

揚げ物などの加熱調理に最適。血中コレステロールを下げる植物ステロールを含みます。

とうもろこしの胚芽を原料とする植物油。加熱に強いので、なたね油同様に揚げ物や炒め物などに向き、また劣化しにくいので揚げた後の料理の保存性にも優れています。風味が安定していることから、ドレッシングやマヨネーズにも活用されています。リノール酸やビタミンEを豊富に含んでいるのも特長。原料の主な輸入先はアメリカです。

主な脂肪酸組織

  1. リノール酸
  2. オレイン酸
  3. パルミチン酸
  4. ステアリン酸
  5. α-リノレン酸
  6. その他

ごま油

焙煎タイプは香ばしい風味で食欲を刺激します。中華料理によく使用されます。

原料はごまの種子。香ばしい香りと個性的な風味が持ち味です。原料に由来する天然の抗酸化物質、ゴマリグナンの作用で、酸化しにくく加熱にも強いのが特長。同じく抗酸化物質のセサミノールには老化防止効果があると言われます。中国料理はもちろん、炒め物や揚げ物、ドレッシングなど用途は多彩。主な輸入先はナイジェリア、ブルキナファソなどのアフリカ、中南米諸国など広範囲にわたっています。

主な脂肪酸組織

  1. リノール酸
  2. オレイン酸
  3. パルミチン酸
  4. ステアリン酸
  5. α-リノレン酸
  6. その他

こめ油

日本の米食文化から生まれた油。米ぬかにだけ含まれるγ-オリザノールが特徴。

玄米を精米するときに出る米ぬかが原料です。
淡白な味と、酸化しにくく加熱しても品質が安定している特長を生かし、マヨネーズの原料やスナック食品に、また揚げ物や、ドレッシングなど生食でも利用されています。国産原料品の他、主な輸入先はブラジルやアジア他です。

主な脂肪酸組織

  1. オレイン酸
  2. リノール酸
  3. パルミチン酸
  4. ステアリン酸
  5. α-リノレン酸
  6. その他

大豆油

日本では代表的な食用油。昔から調理のプロに親しまれてきました。

なたね油と並ぶ、代表的な植物油。独特の旨みとコクをもち、他の植物油とブレンドされて「サラダ油」や「天ぷら油」として利用されるのが一般的。原料の主な輸入先はアメリカとブラジルです。

主な脂肪酸組織

  1. リノール酸
  2. オレイン酸
  3. パルミチン酸
  4. α-リノレン酸
  5. ステアリン酸
  6. その他

なたね油(キャノーラ)

日本では代表的な食用油。おなじみの「キャノーラ油」もなたね油の一種です。

日本の代表的な植物油で、国内での需要量、生産量ともにトップ。原料はカナダで品種改良された「キャノーラ種」が主に使われています。リノール酸とオレイン酸を豊富に含み、αーリノレン酸も含有。風味がよく加熱に強いので炒め物や揚げ物などに利用。原料の主な輸入先はカナダとオーストラリアです。

主な脂肪酸組織

  1. オレイン酸
  2. リノール酸
  3. α-リノレン酸
  4. パルミチン酸
  5. ステアリン酸
  6. その他

パーム油

油やしの実を搾った油で、精製の仕方によって色や風味も色々。加工用油脂。

世界で最も多く生産される植物油です。熱帯のパーム(油やし)の果肉に含まれる油分を採取した油で、常温で固形状です。マーガリンやチョコレート等の原料となります。主な輸入先はマレーシア、インドネシアです。

主な脂肪酸組織

  1. パルミチン酸
  2. オレイン酸
  3. リノール酸
  4. ステアリン酸
  5. その他

ひまわり油

ビタミンE含有率が植物油の中でもトップクラス。クセがなく、マヨネーズの原料にも。

ひまわりの種子が原料。白と黒の2色あるうち、油が採れるのは黒の種子です。あっさりとしたくせのない風味で、ドレッシングなどにも向いています。またオレイン酸とビタミンEが豊富に含まれています。主な輸入先は欧州、ウクライナ、アルゼンチンです。

主な脂肪酸組織

  1. オレイン酸
  2. リノール酸
  3. パルミチン酸
  4. ステアリン酸
  5. α-リノレン酸
  6. その他

べに花油(サフラワー)

無味無臭の軽い食感が特徴。高オレイン酸タイプが主流。

染料としておなじみのべに花の種子が原料。淡い色でくせのない風味が特長で、サラダのドレッシングなどに生で使われることが多い植物油です。オレイン酸含有量の多い「ハイオレイック種」が主体。輸入先はアメリカ、メキシコです。

主な脂肪酸組織

  1. オレイン酸
  2. リノール酸
  3. パルミチン酸
  4. ステアリン酸
  5. α-リノレン酸
  6. その他

綿実油

綿を取った後の種が原料の油。冷めても風味が落ちにくい高級油として親しまれてきました。

綿を採った後の綿花の種子から作られる植物油です。独特のコクと風味を生かすため、他の植物油と混合せずに、単独でサラダ油として利用されることが多く、マーガリンの材料としても用いられます。原料の主な輸入先はアメリカです。

主な脂肪酸組織

  1. リノール酸
  2. パルミチン酸
  3. オレイン酸
  4. ステアリン酸
  5. α-リノレン酸
  6. その他

出典:一般社団法人日本植物油協会「pichi pichi!うつくしい 元気、植物油」を参考に作成

安全と安心の追求
安全と安心の追求