TCFD提言への対応

概要

当社は、2020年11月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムに参画しています。社内横断的なプロジェクトチームを設置し、TCFD提言が推奨する開示項目に沿った情報開示を進めています。

ガバナンス

2020年度からサステナビリティを全社的に推進する基盤として、取締役を委員長とする「サステナビリティ委員会」を運営しています。本委員会は、気候変動を含むサステナビリティ施策の立案や活動、進捗管理等を実施し、四半期に1回、経営会議、取締役会へ報告しています。当社はサプライチェーン全体での気候変動対策を最重要事項と位置付け、調達から生産、物流、販売まで全社横断的に環境負荷の低減やサステナビリティの課題を共有し、課題解決に取り組んでいます。中でも原料調達における環境への取り組みが重要であると考え、2022年2月にサステナビリティ委員会の下部組織である「環境部会」と「サステナブル調達部会」を統合し、「サステナブル調達・環境部会」とするなど、より当社のビジネスモデルに即した体制とし、推進体制を強化しました。またTCFD提言に基づく情報開示推進のため、サステナビリティ委員会傘下に、取締役をプロジェクトオーナーとしたTCFDプロジェクトを発足させ、全社的な議論・情報開示に取り組んでいます。各事業においても気候変動に関連するサステナビリティに配慮した活動を推進しています。設備投資やサステナブルな商品開発の上市にあたっては、各事業部門から取締役会へ報告を行い、全ての事業活動において、気候変動対策の推進を含むサステナビリティを追求する体制を整備しています。

サステナビリティ推進体制図

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サステナビリティに関わる体制と役割

体制 役割 メンバー
取締役会 気候変動を含むサステナビリティの課題に対してサステナビリティ委員会から年4回報告を受け、取り組みへの指示、監督を行う 取締役、監査役
経営会議 気候変動を含むサステナビリティの課題に対してサステナビリティ委員会から年4回報告を受け、取り組みへの指示、監督を行う 取締役執行役員、経営会議主務者、取締役社長の指名する業務執行責任者
サステナビリティ委員会 気候変動を含むサステナビリティの課題への対応を行い、年4回、経営会議、取締役会に報告

委員長:取締役(生産・技術開発管掌)
副委員長:油脂事業本部長、スペシャリティフード事業本部長
メンバー:各テーマに関係する事業部の代表者

役員報酬とESG指標の連動

当社は2022年度より、役員の個人別業績目標へESG指標を組み入れました。組み入れるESG指標の一つにCO2排出量削減などの気候変動対応を設定しています。役員報酬とESG指標を連動させたインセンティブの導入により、役員の気候変動対策への取り組み意識を強め、ESG経営を推進いたします。

戦略

前提条件

気候変動は事業の継続性を鑑みても、非常に重要な経営リスクとしてとらえており、2℃未満および4℃シナリオ※について、リスクと機会の分析を行いました。また、気候変動のみならず、温暖化が進むことにより、台風被害の甚大化などもリスク要因としてとらえています。

※2℃未満および4℃シナリオとは、地球温暖化の対応策に関する科学的な根拠を与え、国際交渉に影響力があるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告で、産業革命前から21世紀末までに、どれくらい平均気温が上昇するかについて予測提示されているものです。最も気温上昇の低いシナリオ(SSP1-1.9シナリオ)で、おおよそ1.4℃前後の上昇、最も気温上昇が高くなるシナリオ(SSP5-8.5シナリオ)で4.4℃前後の上昇が予測されています。

●2℃未満シナリオ
厳しい環境規制・高い炭素税が導入され、 2050年に世界はカーボンニュートラルを達成。農業部門ではCO2ゼロエミッション化を実現する一方で、バイオ燃料の需要拡大・環境規制により調達コストが増加。消費者の環境意識が高まり、プラントベースフードの需要が拡大する。
日本の気温は20世紀末との比較で約1.4℃上昇。日本の自然災害(台風や洪水)の発生頻度・強度は増加するものの4℃シナリオの想定まで悪化することはない。

●4℃シナリオ
低炭素化は進展するものの、2050年カーボンニュートラルは達成せず。自然災害は激甚化・頻発化し、サプライヤー・自社の生産拠点で浸水被害発生頻度が上昇。気温上昇による農作物の収量低下、品質悪化が顕在化。
日本の気温は20世紀末との比較で2050年頃までに約2.3℃上昇。また、台風の発生頻度が上昇すると共に強度が上がる。洪水発生頻度は、20世紀末との比較で約2~4倍になる。

対象期間 現在~2050
対象範囲 -オイルミルズグループの全事業

リスク管理

当社グループでは、代表取締役社長を委員長とする経営リスク委員会を設置し、年2回、取締役会、経営会議への報告を行っています。経営リスク委員会では、気候変動を含む全社の重要リスクについて短・中期視点で管理し、防止と回避に努めています。

事業が気候変動によって受けるリスクと機会については、サステナビリティ推進体制のもと、サステナビリティ委員会とTCFDプロジェクトチームで、中・長期の視点で管理しています。2021年度は、現存する文献など公開情報を情報源としてシナリオ分析を行い、特定したリスクと機会の財務影響度評価を実施し、その対応策を検討しました。議論された内容は四半期に1回、取締役会、経営会議へ報告を行い、適宜必要な指示あるいは助言を受け、モニタリングを実施しています。

今後も継続的に分析範囲の拡大と深堀りを行い、リスクの最小化と機会の最大化を図り、レジリエンスの強化に取り組みます。

また、当社は2021年にマテリアリティの見直しを行い、「気候変動の緩和と適応」を優先課題の一つとして特定しました。マテリアリティ特定のプロセス・相対的重要性の判断については、以下をご参照ください。

気候変動によるリスク

当社は原料である大豆や菜種などの自然資本を活用して、植物油を製造・販売しています。原料のほとんどは北米などの海外から輸入しており、気候変動による収量の変化の可能性があります。また、当社の工場で搾油し、精製・充填工程を経て、お客様にお届けしていますが、工場は港湾部に立地しているため、高潮等の影響を受ける可能性があります。

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気候変動による機会

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指標と目標

2030年度までにCO2排出量を2013年度対比で50%削減(Scope1、2)、2050年度までに排出ゼロにするカーボンニュートラルを掲げています。

また、購入する原材料や商品の製造に関するCO2排出量など、サプライヤーと連携し、サプライチェーン全体(Scope 3)での削減も目指します。Scope3については、排出量の多いカテゴリ1やカテゴリ4について算定精度の向上を図り、削減方法を検討してまいります。

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主な取り組み内容

  • 継続的な省エネルギーの取り組み実施
  • エネルギー効率化
    熱回収、高効率設備導入等
  • 再生可能エネルギー導入の拡大 
    太陽光発電、バイオマス燃料等
  • CO2クレジット等

ICP(インターナルカーボンプライシング)制度の導入については、情報収集を行い、ICP制度を活用した環境投資の推進に向けて検討を行っています。