生物多様性

基本的な考え方

J-オイルミルズグループの事業は、大豆、菜種、パーム、オリーブなどの農産物をはじめとした生物多様性から生み出される地球の恵みによって成り立っています。加えて、事業拠点での水資源利用や排水など、さまざまな形で自然資本と生態系サービスに依存している一方、事業活動によりさまざまなインパクトを与えています。それらを把握し、自然生態系の保全と回復に取り組むことが、サステナブルな食と事業の持続可能性に重要であると認識しています。
当社グループは生物多様性に関連する関係法令等を遵守し、国際的な基準・規格等に的確に対応しています。また、「J-オイルミルズグループ環境方針」において、生態系が保全される調達に努め、生物多様性を含む自然環境の保全に貢献することを基本方針としています。今後は当社グループ外のステークホルダーと連携しながら事業活動によって生物多様性に与える影響の科学的調査と、事業拠点における保護地域の把握を実施していきます。
今後も当社グループは自然と共生し、ネイチャーポジティブな社会の実現を目指します。

生物多様性と当社事業との関係

自然資本・生物多様性と当社事業との関係を、原料調達、製品製造などバリューチェーン全体を通して分析いたしました（図1）。分析対象となる農作物は、環境に高い負荷を与えるといわれる原材料（High Impact Commodity）への該当、取扱量や事業への重要性などから選定しました（図2）。各農作物の原産国ごとに自然との地理的関係を分析ツール（ENCORE※1など）を用いて可視化（図3）することで、生態系の劣化や自然に対する負荷が、国、地域ごとで特徴があることが分かりました。今後は、TNFD（自然関連財務情報開示タスクフォース）が提唱するLEAPアプローチ※2なども参考に、当社グループの自然資本への依存と影響、リスク・機会の分析を進めてまいります。

※1 Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposureの略。企業の事業活動による自然への影響を評価できるツール
※2 自然関連のリスク・機会を評価するためのガイダンス。 Locate（自然との接点の発見）、Evaluate（依存と影響の診断）、Assess（リスクと機会の評価）、Prepare（対応と開示の準備）の４つのステップが推奨されている

保全・保護活動への支援

当社は、生物多様性を保全し、自然環境の保護活動を推進していくことを目的として、日本経済団体連合会（以下経団連）自然保護協議会に2023年2月に通常会員企業として加盟しました。また、「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」にも賛同しています。

また、当社は、「公益信託経団連自然保護基金」の活動にも賛同しています。
今後も、様々なプロジェクトへの参加、NPO・NGOへの寄付、企業間での情報収集などの取り組みを推進していきます。