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J-オイルミルズのマテリアリティ (大切にしたいこと)

概要

企業活動が社会に及ぼす影響が大きくなる中、環境・社会・ガバナンス(ESG)に配慮した事業運営が求められ、ESGは企業価値の評価指標の一つとして重視されています。J-オイルミルズは、ESGの取り組みを、事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進しています。社会の課題が複雑化する中、国際社会の動向を踏まえ、企業理念の実現、さらにはSDGs*の課題解決に向け、自社が優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定し、定期的に見直しを実施しています。

*持続可能な開発目標(SDGs)
持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。(“SDGsとは”.JAPAN SDGs Action Platform.外務省.https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html ,参照:2024年2月27日)

J-オイルミルズは、2022年に第六期中期経営計画(以下第六期中計)の見直しを行い、2021年〜2024年の4か年の計画を2年延長し、6か年の計画へと延長しました。これにより、当社のマテリアリティに紐づく目標の達成年と第六期中計の最終年度に齟齬が生じたこと、また、マテリアリティ特定プロセスが不明瞭であるとの各ステークホルダーからのご指摘を受けたことなどを受け、マテリアリティの見直しを行っています。 2023年に、事業戦略に関わるマテリアリティとして「食の安定供給による持続可能な社会の実現」「食の安全安心を通じ全ての人のウェルビーイングへ貢献」を、事業基盤に関わるマテリアリティとして「多様性の尊重と従業員の働きがい向上」「コーポレートガバナンスの強化」の4領域を特定しました。今後は各領域に紐づくサブマテリアリティの整理とゴールイメージ、KPIの設定を実施していきます。

事業戦略に関わるマテリアリティ
  • 食の安定供給による持続可能な社会の実現
  • 食の安全安心を通じ全ての人のウェルビーイングへ貢献
事業基盤に関わるマテリアリティ
  • 多様性の尊重と従業員の働きがい向上
  • コーポレートガバナンスの強化

具体的な活動項目

これまで取り組んできた各マテリアリティについては、今後2023年に特定したマテリアリティの4領域に紐づくサブマテリアリティとして再整理を行っていく予定です。

資源・耕作地の
持続可能性担保
効率的な原料使用、環境負荷の低い製品開発をもって、限りある地球資源の持続可能性に貢献します。
  • 6 安全な水とトイレを世界中に
  • 9 産業と技術革新の基礎をつくろう
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 15 陸の豊かさも守ろう
顧客の作業・業務負荷の低減に貢献 長持ち油「長徳®」やおいしさデザイン®オイル「JOYL PRO®」などによりおいしさだけでなく作業・業務負荷を低減します。
  • 8 働きがいも経済成長も
  • 9 産業と技術革新の基礎をつくろう
気候変動の緩和と
適応
原料調達、生産、物流工程での継続的な取り組みと環境貢献製品の開発などサプライチェーン全体を通じて温室効果ガスの削減に取り組みます。
  • 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を
たんぱく質危機対応 世界の人口増加や経済成長に伴う食糧不足が懸念される中、おいしく、低負荷なプラントベースフード(PBF)により人々の健康や環境負荷低減に貢献します。
  • 2 飢餓をゼロに
  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 9 産業と技術革新の基礎をつくろう
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう
フードロス削減と
安定供給
当社独自の経時劣化の抑制、食感改良技術などにより、フードロス削減に貢献するとともに、人々の食生活を支える企業として安定供給の責任を果たします。
  • 2 飢餓をゼロに
  • 9 産業と技術革新の基礎をつくろう
  • 12 つくる責任つかう責任
畜肉・水産資源の
保持
ミール・PBF等の活用により畜産・水産業の維持、畜産業負荷の抑制に貢献していきます。
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう
食の安心・安全 安心・安全で高品質な製品・サービスを継続的に提供するため、法令順守と食品の安全性確保を推進していきます。
  • 12 つくる責任つかう責任
健康維持への貢献 当社独自の素材や技術を活かしたPBFなどの製品を通じ、植物由来の栄養摂取の機会を提供し、健康維持に貢献します。
  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 9 産業と技術革新の基礎をつくろう
高齢化社会対応 油による効率的なカロリー摂取提案、おいしさの向上により高齢化の進む日本社会の食生活を豊かにしていきます。
  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 9 産業と技術革新の基礎をつくろう
ライフスタイルの
多様化
現代の多様なライフスタイルやビーガン、フレキシタリアン等の食文化に対応した食の提供を行います。
  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 9 産業と技術革新の基礎をつくろう
栄養摂取・管理への貢献 当社独自技術や製造工程で発生する栄養成分の活用により、栄養摂取・管理に貢献します。
  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 9 産業と技術革新の基礎をつくろう
コーポレート
ガバナンスの強化
ステークホルダーの皆様から信頼を得られる誠実で透明性の高い経営を実現します。
  • 8 働きがいも経済成長も
  • 16 平和と公正をすべての人に
リスクマネジメントの強化 持続的な企業価値向上のため企業経営において生じうるリスクを適切に管理しています。
  • 8 働きがいも経済成長も
  • 16 平和と公正をすべての人に
コンプライアンスの推進 常に社会から信頼される企業であるために、すべての従業員に対してコンプライアンスの徹底に努めています。
  • 8 働きがいも経済成長も
  • 16 平和と公正をすべての人に
サプライチェーン
マネジメント
サプライチェーン全体における環境や人権への配慮、品質と安全の確保など、サプライチェーンの適切なマネジメントのための体制整備に取り組みます。
  • 10 人や国の不平等をなくそう
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
ダイバーシティ&
インクルージョン
多様な人財が個々の特性・能力を十分に発揮できる組織・職場環境づくりを推進しています。
  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 10 人や国の不平等をなくそう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
働き方改革&
エンゲージメント
多様な人財が自律的・自発的にイキイキと働き、成果を上げることができる職場づくりを目指し改革を進めています。
  • 4 質の高い教育をみんなに
  • 5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 8 働きがいも経済成長も
  • 10 人や国の不平等をなくそう
企業風土・意識改革 風通しが良く、従業員一人ひとりが自由に 意見を言い合うことができる環境づくりに取り組んでいます。
  • 8 働きがいも経済成長も
  • 10 人や国の不平等をなくそう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
地域社会への貢献と協働 地域の皆様と共に発展できるよう、様々な形で協働していきます。
  • 15 陸の豊かさも守ろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
適時適切な情報開示 適時適切な情報発信を通じてステークホルダーの皆様と双方向コミュニケーションを実現し、より強固な信頼関係を構築していきます。
  • 16 平和と公正をすべての人に
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

実績

2024年度以降のマテリアリティ

2025年6月以降掲載予定

2023年度までのマテリアリティ

テーマ マテリアリティ 主な2030年度
ゴールイメージ・定量目標
2023年度実績
環境負荷の抑制
  • 資源・耕作地の持続可能性担保
  • 顧客の作業・業務負荷の低減に貢献
  • 気候変動の緩和と適応
  • 農園までのトレーサビリティ100%(パーム)
  • CO2排出量50%削減(Scope1、2、2013年度比)
  • パーム油ミルまでのトレース率100%維持
  • パーム油農園までのトレース率35%(2023年1-6月の実績)
  • RSPO(※1)認証油の購入比率20%(2023年1-12月のグループ会社PF(※2)を含んだ実績)
  • CO2排出量32%削減(Scope1、2、2013年度比)
食資源の維持
  • たんぱく質危機対応
  • フードロス削減と安定供給
  • 畜肉・水産資源の保持
  • 食の安心・安全
  • 動物性食品のおいしさ、満足感、機能、健康価値、栄養価を植物由来の素材だけで再現可能にすることにより植物性食品ならではの新しい価値創造を行い社会課題に貢献
  • 植物生まれの原料ならではのおいしさ、満足感、機能、健康価値を提供
  • 「おいしさ長持ち」の観点からフードロス削減や作業効率向上による低負荷の実現
  • サステナブル商品またはお客様の声活用製品の開発比率70%
  • たんぱく食品のバラエティー化
    -肉系PBFのアプリケーション拡張(継続)
    -水練り、畜産製品へのスターチの使用条件、アプリケーションを拡張(継続)
  • 長持ち機能を有する「SUSTEC®」技術を活用した製品のCFP(Carbon Footprint of Products)マークを追加取得、市場拡大を推進
  • 業務用油脂製品における「SUSTEC®」製品の構成比向上
  • 「低負荷」価値実現のための環境基準の社内浸透
  • 上記環境基準のチェック運用実施確認、対象範囲を拡充
食を通じた健康への貢献
  • 健康維持への貢献
  • 高齢化社会対応
  • 栄養摂取・管理への貢献
  • ライフスタイルの多様化対応
  • 基礎体力の維持・向上を通じた免疫力向上、健康不全の未然防止等への寄与につながる、油脂や油脂に含まれる成分をアピールできる技術の確立
  • フレイル(虚弱)など高齢者の健康課題に対する、栄養機能性成分による改善機能提供(対象者のステイタスに応じた最善策の提供による)
  • 植物性の持つ良さを活かし多様なライフスタイルに対応した「おいしくて健康的な食品・素材」の提供
  • 生活習慣病など健康に関する課題解決のための機能性素材、食品の提供。その評価・開発へのフィードバックによる、顧客ベネフィットの継続的向上
  • 左記2030年のゴールイメージ達成のため、健康不全の未然防止、フレイル(虚弱)などの高齢者の健康課題、生活習慣病などに関連する研究開発に注力
  • 2023年度の段階では研究開発途上
  • たんぱく食品のバラエティー化
    -肉系PBFのアプリケーション拡張(継続)
    -水練り、畜産製品へのスターチの使用条件、アプリケーションを拡張(継続)
事業継続基盤
  • コーポレートガバナンスの強化
  • リスクマネジメントの強化
  • コンプライアンスの推進
  • 企業価値向上に資するコーポレートガバナンスの実現
  • 取締役会の多様性確保
  • ステークホルダーエンゲージメントの向上
  • 経営基盤強化と組織風土改革による企業価値の向上
  • 取締役会に占める社外取締役比率の向上(2024年3月31日=62.5%→2024年6月24日=66.7%)
  • 内部通報制度の活性化(受付窓口増員)
  • コンプライアンスに関する全社e-learningおよびフィードバックの実施
  • コンプライアンス研修の実施(2023年度は5部門で実施、3年で全部門網羅)
  • 経営リスクに対するオーナーシップ制を導入し、各経営リスクのリスク管理責任者(執行役員等、2024年度からはCxOに統一)を経営リスク委員会の指名により設定
  • 期首に設定した14の経営リスクについて、各施策の実施状況をモニタリング
  • サプライチェーンマネジメント
  • サステナブル調達の進化
  • 物流システムの再構築(2025年度)*2025年度には内閣府「戦略的イノベーションプログラム(SIP)」で検討中の物流プラットフォームに接続
  • 物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者に関する行政ガイドラインに沿った当社「自主行動計画」を作成し、機関決定を経て12月に行政へ提出
  • 発荷主として納品状況(路上駐車での納品、長時間待機、附帯作業など)に関する物流会社調査を基にした改善活動を展開しつつ、2024年4月からの納品リードタイム延長(受注日の翌々日配送)に向けて得意先説明とシステム改修を実施
  • 着荷主としてサプライヤ―約150社へのアンケートを実施し、改善活動に着手開始
  • 2024年度の横浜工場、千葉工場、若松工場へのトラックバース予約システム導入を計画 ※静岡事業所、横浜工場は導入済み
  • DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)
  • 働き方改革&エンゲージメント
  • 企業風土・意識改革
  • 経営トップと従業員の対話強化
  • 経営メンバーと従業員の対話会 26回
  • 地域社会への貢献と協働
  • 社会貢献活動の強化、費用増大(経常利益の1%)
  • 社会貢献活動の強化、2023年度社会貢献活動支出額22百万円
  • 適時適切な情報開示
  • 個人株主、機関投資家比率の拡大(2020年度比15%増)
  • メディア露出回数の増大(広告換算効果15億円)
  • 個人株主、機関投資家比率20%増(2020年度比)により2030年度目標達成
  • メディア露出回数の増大、広告換算効果2030年度目標を2022年度に達成したため、目標の見直しを実施中
※1 RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil):持続可能なパーム油のための円卓会議
※2 PF(Premium Fats Sdn Bhd):当社の連結子会社