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人権の尊重

人権方針の策定

当社は、2020年度に「人権方針」を策定し、ステークホルダーの人権尊重に努めています。

推進体制

当社は、「サステナビリティ委員会」傘下に設置する「人権部会」および「経営リスク委員会」傘下に設置する「コンプライアンス部会」において、人権尊重の取り組みを推進しています。「サステナビリティ委員会」および「経営リスク委員会」はその活動内容を定期的に経営会議、取締役会へ報告し、経営会議、取締役会はその活動の監督、指示機能を有しています。当社は2020年に「J-オイルミルズグループ人権方針」を策定し、2021年には「国連グローバル・コンパクト」に賛同を表明する署名を行うなど、これまでも人権尊重への取り組みを行ってきました。企業による人権対応に対する社会的な要請の高まりや、 当社グループにとっての人権に関するリスクの重要性、顕在化した際の影響度などを考慮し、2022年度より「人権に関するリスク」を経営リスクとして明確化し、経営リスク委員会において重点的に管理しています。

人権尊重の取り組み全体像

人権尊重の取り組み全体像

ロードマップ

~2023年度 2024年度〜2025年度 2026年度〜
方針
  • 人権方針の策定
  • 海外グループ会社を含む従業員への浸透
  • 人権方針の一部改訂
  • 社内外ステークホルダーに対する理解浸透の継続
人権DD
  • 人権リスクの分析と特定
  • 原料トレーサビリティの強化
  • 従業員の人権リテラシーの向上
  • 情報開示の充実化
  • サプライヤーを対象とした人権デューデリジェンス(以下 人権DD)の仕組み構築・ライツホルダーへの直接的なアプローチ
  • 人権リスクの分析と特定
  • サプライヤーを対象とした人権DDの仕組み構築の展開
救済
  • 海外グループ会社を含む従業員向け苦情処理メカニズムの構築と運用改善
  • 外部ステークホルダーへの展開
  • 社内外ステークホルダー向け苦情処理メカニズムの運用、継続的な改善

人権デューデリジェンスの実施

「人権方針」の実効性担保のため、人権デューデリジェンスを実施しています。
「責任あるサプライチェーンにおける人権尊重のためのガイドライン」に基づき人権DDプロセス構築における課題、ステークホルダーを特定し、当社の現状と検討事項を整理しました。今後、課題の緊急度と重要度による優先順位付けを行い、対応策を決定し取り組みを進めていきます。

項目 ステーク
ホルダー
主な課題認識 課題に対する対策の方向性 2023年度実績
人権DD 影響・評価 従業員 従業員への直接的なアプローチによる影響評価の未実施 影響・評価におけるライツホルダーとの対話 対応継続
海外グループ
会社
在マレーシア法人の調査未実施 影響・評価における海外法人の実態把握 在マレーシア法人の実態把握に向けた調査実施
サプライヤー 2022年度に実施したSAQ※の分析結果に基づく改善要請やモニタリングなどの対応 継続的な影響・評価のための仕組みづくり SAQの分析結果に応じて一部のサプライヤーと対話実施
外国人技能
実習生
外国人技能実習生との直接対話の未実施 脆弱な立場にあるステークホルダーへの対応 労働条件から労働環境までの実態把握
防止・軽減 サプライヤー 新規取引の判断軸にESGの観点が含まれていない 新たな事業活動や取引関係に入ろうとする場合の影響評価 対応継続
情報開示・リテラシー向上 全てのステークホルダー 課題の改善状況をチェックするモニタリング機能の構築 人権DDの実効性評価 ギャップ分析で抽出された各課題に対し、実施内容および進捗状況をモニタリング
人権に係る開示の充実化 継続的な情報開示の拡充 J-オイルミルズレポート2022と当社WEBサイトにて開示
救済処置 海外グループ
会社
海外グループ会社の相談窓口の周知が十分であるか実態の確認 周知徹底 英文版ヘルプライン案内の発信
外部ステーク
ホルダー
外部ステークホルダーがアクセスできる相談窓口の設置と体制整備 苦情処理メカニズムの確立 対応継続
※国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン作成の「CSR調達セルフ・アセスメント質問表」

サプライチェーンにおける人権尊重の取り組み

当社は、「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、サプライヤーの皆さまとともに、人権、環境に配慮したサステナブルな調達を進めています。
当社の事業活動を支える原材料のひとつであるパーム油について、責任ある調達を実行するため、2011年から「持続可能なパーム油のための円卓会議」(RSPO)に加盟し、2020年に「パーム油調達方針」を策定いたしました。大豆につきましても同様に、2022年8月には、「責任ある大豆に関する円卓会議」(RTRS)に加盟し、「大豆調達方針」を策定いたしました。大豆についても、透明で責任ある大豆の調達に努めてまいります。このような「サステナブル調達方針・調達基準」「パーム油調達方針」「大豆調達方針」をお取引先様と共有し、サプライチェーン全体で人権、環境に配慮した透明で責任ある取組みを進めてまいります。方針の実効性の担保、継続的な人権影響評価の仕組みとしては、2022年よりサプライヤー様に向けたSAQを実施し、対話を含めたフィードバックを行っております。また、2024年には、マレーシアにおけるパーム油の人権影響評価として現地パーム油精製会社、積地などを訪問、対話を行い、今回の点検範囲において深刻な人権侵害は見当たらないことを確認しています。

教育・啓発活動

当社は、人権侵害によるビジネスインパクトなどの事例紹介など、企業が人権について取り組む意味を説明し、人権意識の向上、人権尊重の風土づくりを推進するため、従業員へ研修を実施しています。2023年度は、国内外の当社グループ全従業員を対象に人権e-ラーニングを実施し、人権方針の周知、人権DDから抽出された課題の取り組み、LGBTQ+の今後の取り組みについて理解を深めました。また、サステナビリティe-ラーニングも実施し日々の業務への落とし込みや当事者意識の醸成に努めました。
ハラスメント防止に向けての取り組みとして、内部通報制度(ヘルプライン相談窓口)の周知徹底や、DE&I推進のための「カシオペアWプロジェクト」の取り組みなどを通じ、従業員の人権を守る取り組みも進めています。

従業員と会社が対話できる仕組み

当社は、従業員の労働組合への加入、および、結社の自由、団体交渉の権利を尊重します。当社とJ-オイルミルズ労働組合との間で締結されている労働協約に基づき、労使間で様々な労働条件について協議を行い、労使が協力して働きやすい環境づくりに努めています。当社の労働組合員数は727名、労働組合員比率は100%です(2023年)。

賃金の管理

当社は、労働基準法や労使協定に基づき、法定最低賃金を遵守しております。