J-オイルミルズのdX
1. トップメッセージ
「Joy for Life® 食で未来によろこびを®-」の実現に向けた経営基盤強化の取り組みとして、dXに取り組んでいます。ここでは、マネジメントや事業責任者を中心とした推進体制を構築し、各担当役員がリーダーとなる4つの改革テーマ(業務改革、SCM/物流、営業・マーケティング、人財育成)を設定しました。当社が目指すdXは、単なる業務改善にとどまらず、事業、製品サービス、ビジネスモデルを含めた変革により「おいしさデザイン®」のデータベース化をはじめとした比較優位性を確立し、当社のビジョン・ミッションを実現することを目的としています。
2. J-オイルミルズのdX、dX戦略
当社は、企業理念体系の目指すべき未来「Joy forLife®
-食で未来によろこびを®-」の実現と使命の達成に向けて、dX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。dXとは、AIやIoTなどのデジタル技術を活用し、事業・製品サービス・ビジネスモデルを変革し、競争力を高めることを目指すものです。単なるデジタル化ではなく、業務そのものを変える「トランスフォーメーション」に重点を置いているため、「X」を強調した「dX」と表記しています。
このdXの取り組みは、「業務変革」「連携変革(社内、社外)」「ビジネス変革・新ビジネス構築」「社会変革」の4つのステージで構成されており、段階的かつ重層的に進めていきます。中でも「社会変革」は、ビジネス変革を通じて社会に価値を提供し、結果として理念の実現につながることを意味しています。
3. 組織体制
体制
当社は、CEO直轄の「dX推進プロジェクト」を立ち上げ、部門を横断して「dX」に取り組んでいます。現在は、dX戦略に基づき定めた4つのテーマが担当役員のリーダーシップの下、進行中です。今後も、新たなテーマアップを行い推進していきます。
4. 具体的な取り組み
人材育成/風土改革チームの取組み
全社で機会と情報を提供し、dXの教育を推進しています。マネジメント層を対象に社内で座学研修を実施し、自組織への浸透を図っています。また、AIやBIツールなどの先進技術ごとに、オンライン上にコミュニティーを設け、情報共有を促進しています。研修の受講者数やコミュニティーの参加者数をモニタリングし、デジタルの浸透度合いを測定しています。
業務改革チームの取組み
単なる業務改善にとどまらず、全社横断の共通課題に対して、デジタルの力を活用した抜本的な改革を推進しています。業務の現状を定量的に分析し、全体最適の視点で構造的な課題解決や新たな仕組みの構築に取り組むことで、従来の枠組みにとらわれない変化を目指しています。
営業/マーケティングチームの取組み
- 営業部門では、デジタルドリブンで意思決定やナレッジの体系化、プロセスの可視化を進める仕組みを稼働させました。日常的な業務効率化や高度化はもちろん、マーケティング部門との業務リンケージにも大きく貢献するものと考えています。「おいしさデザイン®」のノウハウの定量化も進めます。将来的には独自技術「SUSTEC®」を用いた長持ち油の「長徳®」とITを活用したサービス「フライエコシステム®」などを発展させ、社会変革へとdXのステップを進めていきます。
- 「フライエコシステム®」は独自技術「SUSTEC®」を用いた長持ち油の「長徳®」とITを活用したサービスで、油脂劣化測定、使用延長のオペレーション支援、業務の自動化を実現することで一層のおいしさの追求と環境への配慮を両立させるシステムです。独自の製品と業務支援サービスを組み合わせた提案で、お客さまの課題解決を強化していきます。
SCM/物流チームの取組み
- デジタル技術とデータを活用し、物流システムの高度化や配送効率化などに取り組んでいます。また、これらの取り組みについて棚卸資産回転日数などのKPIを設定し、管理しています。
- システム間のシームレスな情報連携による効率化を実現しています。同時にデータの蓄積を行う、データウェアハウスの整備を行いました。ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを導入し、意思決定に役立つ情報を自動で可視化・提供する環境を整備し、活用しています。
dX推進とITシステム環境・運用の整備
大規模な基幹システムの刷新(販売、購買、生産、会計業務)を2020年度から2024年度にかけて行いました。これにより各業務の高度な管理や、システム間のシームレスな情報連携による効率化を実現しています。同時にデータの蓄積を行う、データウェアハウスの整備を行いました。ここでは、さまざまなシステムで利用するマスターの管理と配信、各システムから出力される情報の蓄積を行っています。さらにデータディクショナリ(データに関する情報をまとめた辞書)を整備し、容易なデータの検索を可能にしました。そして、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを導入し、意思決定に役立つ情報を自動で可視化・提供する環境を整備し、活用しています。引き続き、2025年度から2030年度にかけて、40億円規模のdX投資を計画しています。
生成AIの活用も促進しています。学習機会の提供に加え、利用者のコミュニティーの場を整え、知恵を持ち寄る共創の場として活用しています。さらに、RPAによる業務の自動化、ノーコード/ローコードツールで業務アプリケーションを内製化することで業務ニーズに対し、迅速かつ継続的に対応できる体制づくりを進めています。
サイバーセキュリティリスクについては、その動向を把握し、以下の継続的強化を図っています。
- 社内ネットワークへの不正侵入を防止するシステム・対策ソフトの導入
- 添付メールによる情報漏洩防止のためPPAP※1対策の導入
- 全社員を対象としたセキュリティ研修
- インシデント発生時の早期解決と被害極小化を実現するCSIRT※2の設置
- ゼロトラストセキュリティ※3基盤への移行推進
※2 CSIRT(Computer Security Incident Response Team):コンピュータシステムやネットワークに保安上の問題につながる事象が発生した際に対応する組織
※3 社内外を問わず、全てのユーザーやデバイス、ネットワークを最初から信用せず、アクセスのたびに厳格な認証や検証を行うことで情報資産を守る、新しいセキュリティの考え方
5. DX認定制度への対応
2025年11月1日(土曜日)、経済産業省が定める「DX認定制度」に基づく「DX認定事業者」としての認定を取得いたしました。
DX認定制度は、デジタル技術による社会変革に対して経営者に求められる事項を取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対応し、DX推進の準備が整っていると認められた企業を国が認定する制度です。
当社のデジタル技術を活用した業務プロセスの効率化や企業変革の取り組みなどが評価され、認定取得に至りました。