オリーブオイルのおいしさを支えるJOYLオリーブオイル官能評価パネルチームの取り組み
オリーブオイルのおいしさを支えるJOYLオリーブオイル官能評価パネルチームの取り組み
オリーブオイルのおいしさを支える
JOYLオリーブオイル
官能評価パネルチームの取り組み
2025年12月25日 食品新聞社 岩下直樹
J-オイルミルズは、1996年に「AJINOMOTO ブランド オリーブオイル」シリーズを発売して以来、日本のオリーブオイル市場を牽引してきました。同社の研究開発部門には、国際オリーブオイル協会(以下IOC)の基準に基づく識別能力試験をクリアした従業員が鑑定士として「オリーブオイル官能評価パネルチーム」を組織。オリーブオイルの鮮度や風味を守るため、日々トレーニングを重ねながら評価技術を磨いています。品質とおいしさを支えるパネルチームの取り組みを紹介します。
オリーブオイル官能評価チームとは
バージンオリーブオイルは、収穫したオリーブの実を搾っただけの「果実のジュース」とも呼ばれます。産地や品種、その年の気候や収穫時期によっても風味が変わる、非常に繊細な食品です。
苦味や辛味、青々しい香り、フルーティーさなど、自然に育まれた多様な風味がオリーブオイルの魅力ですが、サラダ油のような精製工程を経ないため、理化学分析だけでは品質を十分に判断できません。そこで重要となるのが、舌と鼻で香りや味わいを評価する「官能評価」です。
J-オイルミルズでは、1996年のオリーブオイル発売当初から社内で官能評価技法を整備し、2000年にはIOCの手法に基づくテイスター育成を開始しました。2022年に正式発足した「オリーブオイル官能評価パネルチーム」にはIOC基準に沿って、同社独自の識別能力試験に合格したメンバーが、全国の拠点から参加しています。
パネルチームのリーダーを務める研究開発センター商品開発室家庭用油脂グループリーダーの西山千草 氏は「2025年も選抜試験を通過した10名が加わり、現在のメンバーは24人。IOCが定める官能評価手法に沿って、オイルの風味や香りを判定する技能を日々磨いています」と話します。メンバーの所属部署は研究開発や品質管理など多岐にわたりますが、共通するのは「しっかりとした官能評価ができる人財を育成し、その技術を継承する」という使命です。
オリーブオイルの風味を守る、世界基準のパネリスト
IOCでは、評価に使用するグラスの色や形状、サンプル量、温度、ブース環境まで官能評価の手法が細かく規定されています。パネリストはその条件に沿って、香りや味わいを丁寧に確認します。
西山 氏は「官能評価は数値ではなく、自らの五感と記憶が頼りです。体調や気持ちの状態も影響するため、落ち着いた心身で臨むよう心がけています」と語ります。
評価のポイントは大きく2つです。
- 発酵臭などのネガティブ要素(欠陥)がないか。
- フルーティーさ、苦味、辛味というポジティブな要素の強度はどれくらいか。
日々の訓練では、IOC基準に沿って個々の感覚を磨くとともに、メンバー同士で判断をそろえる“舌合わせ”も行います。実際の評価では8〜12名のパネリストが評価した中央値が基準となるため、チームとして個々の判断基準を近づけ、認識を合わせることが欠かせません。
こうした取り組みが評価技術の向上につながり、J-オイルミルズのパネルチームは2018年に日本の製油企業として初めてAOCS(アメリカ油化学会)の官能評価パネル認定を取得。以来、8年連続で認定され、国際的にも高い評価を受けています。
経験と心構えを次世代に
官能評価の技能は、短期間で習得できるものではありません。経験の積み重ねが大きくものを言う領域です。
西山 氏は「私自身、師匠でもあった先輩から昨年2024年にリーダーを引き継いだばかりで、チームをまとめる経験は浅いですが、先輩方から受け継いだ知識や姿勢をしっかり次の世代に伝えていきたい」と語ります。
「目の前のカップに入ったオイルは少量であっても、その向こう側には、大きなタンクに入ったオイルがあり、私たちの評価によって生産者の努力や価値が左右されることもあります。だからこそ、真摯に向き合い、信頼されるパネルチームでありたい」と、その言葉には強い責任感が込められています。
オリーブオイルの魅力を伝える
研究開発室にはIOCの規定に近い環境で評価できる専用ブースを整備。チームには若手メンバーも増え、日々のトレーニングを通じて新しい風味との出会いを楽しみながら技術を磨いています。
「オリーブオイルは世界に1600以上の品種があるといわれています。新しいオイルに触れるたびに、その奥深さを実感します」と西山 氏。
商品開発に携わる立場として、ロングセラーの「AJINOMOTO ブランド オリーブオイル」をはじめ、イタリアの伝統ブランド「FILIPPO BERIO」や通販限定の希少な伊豆産オイルなど多彩なオリーブを展開するJOYLの製品開発やお客さまへの提案を通じて、「パネリストとしての経験を活かしていきたい」と語ります。
J-オイルミルズのオリーブオイル官能評価パネルチームは、これからも技術と感性を磨きながら、鮮度とおいしさにこだわったオリーブオイルを日本の食卓へ届け続けます。