原料となる大豆、菜種は、産地によって異なりますが、大豆は約40〜50日、菜種は約15~20日をかけ、大型の船で日本に運ばれます。原料は船からアンローダーという巨大なアームのような機械で荷揚げされ、工場内の原料サイロに保管されます。
植物油は
どこからやってくる?
「おいしさデザイン®」の原点である
植物油の製造工程をご紹介します
植物の種子や、果実からとれる植物油。
食材のおいしさを引き出したり、
健康をサポートしたり、
私たちの食生活には欠かせません。
植物油の製造は、
海外から輸入される
原料の受け入れから始まり、
原料の「前処理」、油を搾る「搾油」、
食用油として不要な成分を取り除く「精製」、
「充填・包装」の各工程を経て、
皆さまのもとへ届けられます。
植物油がどのように作られているか、
大豆油、菜種油の製造工程を
のぞいてみましょう。
植物油の製造工程
原料受け入れ
コラム1巨大な保管庫
「原料サイロ」
船で運ばれた原料は、原料サイロと呼ばれる高さ40~50mにも及ぶ巨大な保管庫に蓄えられ、1基につき1,000t以上の原料を保管することができます。岸壁にそって原料サイロが何本も立ち並ぶその姿は迫力満点です。
前処理
原料サイロに保管された原料は、油を効率よく搾り出すために前処理を行います。収穫の際に紛れた茎や葉などの夾雑物(きょうざつぶつ)を取り除く精選作業を行います。
精選された原料を砕いた後、ドライヤーで熱を加え水分を調整し、やわらかくなった原料を圧扁(あっぺん)作業によりフレーク状に伸ばします。
ローラーで伸ばされたフレークは、菜種で0.2mm、大豆で0.3mm程度の厚みになるように調整します。この圧扁作業によって、細胞壁を破壊することで油を効率的に搾ることができるようになります。
搾油(圧搾法)
油を搾り出す搾油工程では、原料の性質に応じて「圧搾法」と「抽出法」、ふたつの方法があります。
圧搾法
前処理を行った原料に強い圧力をかけて物理的に油を搾る方法です。1台の圧搾機で搾油できる量は、1時間に3.5tにもなり、原料特有の風味が残りやすいという特長があります。
なお、圧搾による最初の搾油を、特に「一番搾り」と呼びます。
搾油(抽出法)
抽出法
食品添加物として使用が認められている溶剤で油分を抽出した後、蒸留装置で溶剤と油分に分離することで油を取り出します。
菜種の油分は40%程度、大豆の油分は20%程度で、菜種は大豆の2倍の油分が含まれます。
油分の多い菜種は、圧搾法と抽出法を用いて搾油し、菜種に比べ油分が少ない大豆は抽出法のみで搾油します。
原料の種類によって最適な搾油方法を用いることで、効率的かつ無駄なく油を取り出しています。
コラム2油を搾った後の
油粕はどうなるの?
油を搾り出した後の油粕(あぶらかす)は「ミール」と呼ばれ、捨てることなく有効に利用されています。
ミールは良質なたんぱく質を含む特性を生かし、主に家畜の飼料や肥料の原料として利用されており、しょうゆの醸造用原料としても使われています。
植物油の製造工程では、原料種子から油とミールを生産しており、自然の恵みを余すことなく有効に利用しています。
精製-脱ガム
搾油工程で得られた油は粗油(そゆ)といいますが、まだ食用には適していないため、精製工程(脱ガム、脱酸、脱色、脱臭)で食用油として不要な成分を取り除きます。
脱ガム工程では、ガム質と呼ばれるリン脂質などを取り除きます。粗油に温水を加えてリン脂質を水和させた後、遠心分離機でリン脂質を取り除きます。
精製-脱酸
脱酸工程では、油の中に含まれる遊離脂肪酸を苛性ソーダで中和し、遠心分離機で取り除きます。この工程で油の風味や劣化に影響を与える遊離脂肪酸などが除去されることで、油の品質が安定します。
精製-脱色
脱色工程では、油に含まれている原料由来の色素などを活性白土を用いることで脱色します。活性白土に色素を吸着させた後、フィルターでろ過し、活性白土を取り除くことで脱色された油が得られます。
精製-脱臭
脱臭工程では、高温・高真空の状態で水蒸気を吹き込んで、油のにおいの成分などを取り除きます。
精製工程を終えた油は「精製油」と呼ばれ、製品タンクに保管されます。
コラム3さまざまな用途で
利用される副産物
大豆の脱ガム工程では、取り除かれたリン脂質から「レシチン」が得られ、製品として販売されています。レシチンは乳化剤として、滑らかな口当たりを実現するためにアイスクリームやチョコレートなど、多くの食品に利用されています。
また、脱臭工程では、副産物として「トコフェロール」というビタミンEを得ることができ、多くの食品や化粧品の原料にも使用されています。
このように植物油の製造工程で得られた副産物も余すことなく有効に活用しています。
コラム4安全安心な製品を
管理する司令塔
プロダクションセンターでは、24時間体制で一連の製造工程のモニタリングを行い、安定稼働に努めています。
また、安全で安心な製品をお届けするために、工場品質管理室では、さまざまな品質検査を行っています。
充填・包装
精製工程を終えた油は、容器に充填され、包装の工程を経て出荷されます。
充填ラインでは、エアークリーナーによって洗浄された空の容器に、1分間に200本以上のペースで油が充填されます。
充填された後、キャップやラベルが付けられた製品は、画像検査機や金属検出機など機械による検査を経たのち、人の目でも検品も行った上で箱詰めされます。
コラム5衛生管理の徹底
充填エリアでは、入念な衛生管理の体制が整えられています。入室時には異物が製品に混入しないように、専用の作業服・帽子・マスクなどを着用します。そして、決められた手順に従って手洗いをし、粘着ローラーやエアシャワーを使用して衛生管理を徹底します。
出荷
箱詰めされた製品は、機械によってパレット積みされた後、トラックに積み込まれ、皆さまのもとへと出荷されます。
パレット:荷物を載せて保管・輸送・荷役を効率的に行うための台
知っておきたい!
植物油の知識
Movie
「植物油ができるまで」
植物油の製造工程を動画で
ご紹介します(音声、字幕あり)